チャイルドシートを新生児から前向きで使いたい?

ソポラベベ担当のオオカタです。
チャイルドシートは1歳頃まで後ろ向きに取り付けて使用しますが、その理由はご存知でしょうか?


先日姪っ子が生まれ、チャイルドシートをプレゼントしようと思ったら「新生児から前向きで使えるのが欲しい」というリクエストを受けたので、妹夫婦&ジジババにこういう話をしました。

後ろ向きに取り付けるのはなぜ?

これは、正面衝突で赤ちゃんが進行方向に放り出されるのを背もたれでしっかり受け止めるためです。
後頭部はもちろん首、背中など、広い面積を支えることで、赤ちゃんにかかる負荷を分散します。

大人が前向きでシートベルト締めてるし、赤ちゃんだっていいんじゃね……?
と考えるのは大変な間違いです。
なぜなら、大人と赤ちゃんでは骨格が全然違うからです。

放り出される体をベルトで受け止めるには、

・背もたれを起こしておくこと
・骨格がしっかりしていること

が必要です。

起こしたシートに首すわり前の赤ちゃんを座らせると、首が倒れて呼吸できなくなります。
仮に「運よく」呼吸できたとしても、骨格が未発達なので衝突や急ブレーキの際に体をベルトで止められません。

というわけで世界中のチャイルドシートが、少なくとも乳児期は後向き取り付けで使用する設計になっています。

なお、大人が乗車する場合でも背もたれは起こしておいてください。倒したまま走行すると、衝突や急ブレーキで「サブマリン現象」につながります。
サブマリン現象についてはこちらから。

ドライビングポジション、運転姿勢など、安全装備情報|安全&便利機能を選ぶならこれだ|中古車のガリバー


後向き取り付けの注意点

背もたれの角度が45度程度なら適正です。
あまり立ちすぎていると赤ちゃんの負担になります。
また、倒れすぎていると赤ちゃんを受け止められないので危険です。



45度程度の背もたれ角度で赤ちゃんの呼吸がしづらくなったり、首に負担がかかったりすることはないので、ご安心ください。ただし、新生児の場合は大人が横について様子を見てあげましょう。また、1時間以上の連続使用は避けてください。

後向き取り付け時の背もたれ角度

立ちすぎや倒れすぎの場合は、チャイルドシートのリクライニング位置が正しいか確認してください。
それでも適正な角度にならない場合は、車のシート形状が原因と考えられます。その場合はクルマのシートとチャイルドシートの間にタオルなどを詰めて角度を調節する方法があります。ただし、この方法はメーカーがNGとしている場合もありますので、必ず取扱説明書を確認し、わからなければメーカーに問い合わせましょう。
製品によってはリクライニング操作が1アクションだけでできないものもあるので、注意してください。

カイナの取り付け注意ポイント


いつから前向きにできる?

一応、お子さまの体重が9kgになれば前向きで使用可能です。
「一応」とつけたのは、後ろ向きで使える間は後ろ向きの方が安全だからです。

現行の安全基準適合品は、体重10kg(製品によっては13kg)になるまで後向きで使えるよう設計されています。体重が後向き取り付け範囲に当てはまる間は、できるだけ後向きでのご使用をおすすめします。







補足

チャイルドシートを新生児モード(背もたれを一番倒した状態)で前向きに取り付けている車をたまに見かけますが、あれでは何も守れません。
本当に危険なので、絶対にやめてください。

後向きに取り付けると、運転席から赤ちゃんの様子が見にくかったり、赤ちゃんが嫌がったりして、早く前向きにしたいと感じることも多いですが、安全には代えられません。
チャイルドシートは正しく使ってください。

というわけで、うちの姪っ子もぐずりながら後ろ向きに乗っています。